畳の掃除は、フローリングとは異なる繊細さが求められます。
畳は湿気に弱く、間違った掃除方法を続けると、カビや変色の原因になります。
とくに掃除機を使用する際は、畳との相性を理解することが大切です。
この記事では、畳に掃除機をかける場合の注意点や避けるべき使い方、水拭き対応機種の選定時の押さえるべき機能などについて解説します。
お住まいに和室がある方は、ぜひ参考にしてください。
畳に掃除機をかけるポイント
畳はデリケートな素材でできています。
正しい掃除方法を意識することが、長持ちの秘訣です。
とくに水拭き掃除機を使う際は、畳特有の構造や素材に合わせた使い方が求められます。ここでは、畳を傷めることなく、効率よく掃除するポイントを5点紹介します。
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畳の目に沿って動かす
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焦らず時間をかける
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吸引モードに気を付ける
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べたつきは水拭きで
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畳の縁は最後に掃除する
それぞれ実践してみましょう。
畳の目に沿って動かす
畳の表面には、イ草が一定方向に編み込まれた「目」があります。
この目に沿って掃除機をかけることで、繊維の間に入り込んだホコリやチリを効率よく取り除けます。
一方、目に逆らって動かすと、イ草の表面が毛羽立ちやすく、見た目も劣化しやすくなるため注意しましょう。
また、掃除機のヘッドが引っかかって表面が傷んだり、畳自体が浮いてしまったりすることも考えられます。
なお、畳の目は部屋全体で同じ方向とは限りません。
畳1枚ごとに交互に配置されている場合があります。
掃除機をかける前に目の向きを確認し、それぞれに合わせてゆっくり動かしましょう。
焦らず時間をかける
勢いよく掃除機を動かすと、汚れが取りきれないだけでなく、畳表が擦れて劣化を早めてしまうおそれがあります。
とくに水拭き掃除機を使用する場合、一定の速度でゆっくりと動かすのが基本です。
ヘッドを急いで動かすと、水分が均等に行き渡らず、湿りムラや乾燥不良を引き起こすことがあります。
また、吸引や水拭きの工程を焦って進めると、表面だけがきれいに見えて内部にホコリが残ることも。
1畳あたり数分を目安に、時間をかけて掃除を進めましょう。
吸引モードに気を付ける
掃除機の吸引力が強すぎると、畳表を引きはがしたり、表面を浮かせてしまったりする原因になります。
新しい畳ややわらかめの素材はとくにダメージを受けやすいため、慎重に設定してください。
以下のようなモードがある掃除機であれば、負荷を抑えながら清掃できます。
吸引モードの種類 |
特徴 |
弱モード |
畳表への負担が少なく安全に使用できる |
畳・和室モード |
畳専用に調整された設定でもっとも安心 |
自動モード |
表面抵抗に応じて吸引力を調整できる |
機種によっては、ブラシ回転のオン・オフ切替も可能です。
畳掃除では、回転ブラシを停止した状態で使うのが望ましいでしょう。
べたつきは水拭きで
畳の表面に汗や皮脂汚れが付着すると、時間が経つにつれてべたつきを感じることがあります。
このような汚れは、乾拭きでは落としきれないため、適度な水分を使った水拭きが有効です。
ただし、畳は湿気に弱く、水分を過剰に含むとカビや変色の原因になります。
雑巾で水拭きする際は、よく絞ってから軽くなでる程度にとどめましょう。
作業後は必ず換気や除湿を行い、畳を早めに乾かすことが重要です。
水拭き掃除機は、水量や拭き取り圧を自動で調整する機能が搭載されており、畳にやさしく効率よく汚れを除去できます。
また、吸引と同時に水拭き可能な機種であれば乾燥時間も短縮され、カビ対策にも効果的です。
畳の縁は最後に掃除する
畳の縁は、畳表とは異なる素材で作られており、布や合成繊維で丁寧に縫製されています。
この部分は摩擦や力に弱く、繰り返しこすったり、掃除機のヘッドで何度も往復させたりすると、糸がほつれ破れる原因になります。
そのため、畳の中央部分を先に済ませてから、最後に縁を仕上げるのが基本です。
ブラシ付きのヘッドは使用を避け、回転のないノズルに切り替えるか、ハンディタイプに持ち替えて、軽く一方向になでるように動かしましょう。
また、ホコリがたまりやすい端の部分は、隙間ノズルを使うとより効果的です。
畳に掃除機をかけるときにやってはいけないこと
畳は天然素材を使った繊細な床材のため、掃除の仕方次第ですぐに劣化します。
ここでは、畳を傷めるおそれがあるNG行為を紹介します。
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ロボット掃除機に任せきりにする
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畳の目に逆らってこする
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水を使いすぎる
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アルカリ性の洗剤を使う
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粘着タイプのクリーナーを使う
それぞれ注意しましょう。
ロボット掃除機に任せきりにする
ロボット掃除機は便利な家電ですが、畳の掃除を完全に任せるのはおすすめできません。自動走行では畳の目の向きに合わせて動けず、目に逆らう動作を繰り返すことがあるためです。
また、多くのロボット掃除機には回転ブラシが搭載されており、繊維を引っかけて毛羽立ちや摩耗の原因になることもあります。
さらに、段差のある畳縁に乗り上げてしまい、生地を傷めるリスクも考えられます。
畳の掃除には手動の掃除機や水拭き掃除機を使い、ロボット掃除機の使用は最小限に抑えるのが安全です。
畳の目に逆らってこする
畳の繊維は目に沿って整えられており、表面は見た目以上にデリケートです。
目に逆らって掃除機をかけたり雑巾で強くこすったりすると、繊維の向きが乱れ凹凸ができてしまうことがあります。
とくに、部分的に力が加わると踏み跡のように畳の表面が波打ち、見た目のムラにもつながります。
このような状態になると、張り替え以外に修復が難しくなることもあるため、早期の対策が重要です。
掃除前には、畳の向きを軽くなでて確認し、均等な圧力でやさしく掃除機を動かすよう心がけましょう。
水を使いすぎる
イ草は高湿度下で急速に変色・軟化する特性があり、湿気に弱く、内部に水分が染み込むとカビや黒ずみが発生することがあります。
とくに目に見えない部分での劣化は進行が早く、気づいたときには修復が困難なケースもあります。
水拭きをする場合は、雑巾を固く絞るか、水拭き掃除機で最小限の水量設定に調整しましょう。
掃除後は必ず換気や乾燥を行い、湿気を残さないことが重要です。
アルカリ性の洗剤を使う
アルカリ性洗剤の強い洗浄成分は油汚れに強く便利な一方で、イ草の繊維を傷め、色ムラやひび割れを引き起こす原因になります。
畳の表面に使用すると逆効果になることがあるため、注意が必要です。
とくに無垢の畳や天然素材の和室では、アルカリ性の刺激が表面に残りやすく、変色やざらつきが生じやすくなります。
一般的には、中性洗剤や畳専用クリーナーの使用が推奨されています。
どうしても使用したい場合は、目立たない隅でテストし、変化がないことを確認してから使うと安心です。
洗浄後は、水拭きで丁寧に成分を拭き取りましょう。
粘着タイプのクリーナーを使う
コロコロなどの粘着クリーナーは、畳には不向きな掃除道具です。
粘着テープが畳表の繊維を引きはがしてしまい、表面の毛羽立ちや変色の原因になるためです。
また、粘着剤が畳表に残ると、かえってホコリや汚れが付きやすくなり、見た目も悪くなってしまいます。
表面のチリや糸くずを取りたいときは、掃除機の隙間ノズルや、やわらかいブラシを使用すると安心です。
畳に適した掃除機の選び方
畳の掃除には、フローリング用の掃除機とは異なる視点で製品を選ぶことが重要です。
素材や構造が繊細な畳は、吸引力やブラシの回転など、少しの仕様の違いで大きく傷んでしまうことがあります。
とくに水拭き掃除機を導入する際は、畳に配慮された機能が搭載されているかを確認しましょう。
ここでは、掃除機の選定ポイントをまとめました。
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掃除モードに畳や和室がある
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ヘッド(ブラシ)を確認する
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コードレスタイプである
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除菌機能が搭載されている
畳の清掃を快適かつ安全に行うため、購入時の参考にしてください。
掃除モードに畳や和室がある
掃除機の中には「畳モード」や「和室モード」が搭載されている機種が存在します。
これらのモードは吸引力やブラシの回転数が抑えられており、畳を傷つけるリスクを軽減できるでしょう。
通常モードでは吸引力が強く、ブラシの回転も高速であるため、畳表をはがし、繊維を巻き込んでしまうことも考えられます。
とくに新しい畳や天然素材ではダメージを受けやすく、見た目の劣化や耐久性の低下にもつながるため注意が必要です。
畳専用モードがあるモデルであれば、繊細な素材にも対応しており、安心して使用できます。
購入前に、メーカーの製品情報や仕様書を確認し、畳対応の記載があるかをチェックしましょう。
ヘッド(ブラシ)を確認する
掃除機のヘッドは、床材にもっとも直接接触するパーツです。
回転ブラシ付きのヘッドは、フローリングやカーペットに適していますが、畳には負荷がかかりすぎることがあります。
そのため、ブラシレス(回転なし)タイプや、やわらかい素材を使用したソフトローラー型などが畳向きといえるでしょう。
また、床面の段差に対応できるよう、可動性のあるヘッドを選ぶと、畳縁への負担も軽減されます。
掃除中の押しつけを避け、やさしく滑らせるように使うことも大切です。
コードレスタイプである
畳の部屋では、家具や段差が多い場合もあるため、取り回しのしやすさが掃除の効率に直結します。
コードレスタイプであれば、コンセントの位置にとらわれず、スムーズに全体の掃除が可能です。
また、コードが畳の表面をこすると、縁部分に引っかかって摩耗や破れを引き起こすおそれもあります。
水拭き掃除機の場合も、コードレスであれば移動時に水をこぼすリスクが軽減されるでしょう。
連続使用時間が十分にあるモデルを選べば、充電切れを心配せず一気に掃除を済ませられます。
除菌機能が搭載されている
畳は表面の溝にホコリが入り込みやすく、一見きれいに見えても微細なゴミが残っていることもあります。
こうしたゴミは放置するとアレルゲンの原因にもなるため、早めに取り除くことが重要です。
そのため、掃除機に除菌機能が備わっていると、清掃と同時に衛生管理もできるため安心です。
とくに水拭き掃除機であれば、ホコリや皮脂汚れを落としながら、雑菌の繁殖を抑えられる点が大きなメリットです。
掃除機を正しく使って畳を長持ちさせましょう
畳を美しく保つためには、日々の掃除機のかけ方や機種の選び方が重要です。
目に沿って動かす、適切な吸引力に設定するなど、基本を守るだけでも畳の劣化は大きく防げます。
とくに水拭き掃除機を使えば、乾拭きでは取り切れない皮脂汚れやべたつきも効率的に除去できます。
ただし、畳対応の製品を選ばなければ、素材を傷めるリスクもあるため注意が必要です。
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畳にやさしいロールブラシ構造に加え、水拭きと除菌を同時に行える機能を備えており、畳を清潔に保ちながら傷みを防げます。
さらにセルフクリーニング&自動乾燥機能で、本体自体も衛生的に管理できるため、毎日の掃除を安心して続けられるのも魅力です。
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